ラーメン店 : 独立開業の業種選び

ラーメン店で独立起業する。独自の味か、フランチャイズか?

「ラーメン屋が、できるらしいよ。」
「どこ、どこ? なにラーメン?」
町にラーメン屋さんがオープンの準備を始めて、店員募集の看板やオープン予告の垂れ幕が張られると、たちまち話題になります。
ラーメンほど多くの人に愛される食べ物はありません。

町を歩いているとフランチャイズ加盟のラーメン店をよく目にします。
新規事業として、個人だけでなく法人にも強い魅力を感じさせる人気の秘密は、収益性や安定性といった経営上のメリットだけではありません。
ラーメンについての情報がテレビや雑誌、インターネットにいたるまで毎日のように流れていれば、誰でも親近感を感じます。
シヅル感のある賑やかなメニュー写真を見ていると目移りします。
ラーメンの薀蓄を語れば、まるでプロの料理評論家なみに熱弁をふるう人、身近にいませんか。
それほどラーメン店は、老若男女を問わず、非常にイメージしやすい事業といえます。

個人でラーメン店を始める人は、数年の修行を経て、特製のスープ、こだわりの麺など独自の味覚センスを磨き、納得のいく味を極めた職人です。
脱サラをして、ラーメン修行をした話もよく聞きますが、それは特殊な例でしょう。
そうした人は、立地、店舗設計、内装、什器、器にいたるまで、しっかりしたビジョンを持っていますから。

フランチャイズ加盟のラーメン店は、郊外ロードサイドの大型店や、ショッピングセンターや駅ビルなどの共同店舗がありますが、これらはあまりにも初期投資と固定費が大きく、個人事業としてはリスクが高すぎます。
初めてラーメン店を出すのでしたら、店舗の賃貸料や人件費などの固定費はぎりぎりまで抑えなくてはなりません。
加盟金や保証金だけでも200から300万円はかかります。さらに改装費や店舗契約費用もかかるわけですから、事前に資金計画を立ててからフランチャイズ本部と交渉するようにしてください。

フランチャイズ加盟店のメリットは、すでにお客さんがその味を知っているということです。
フランチャイズ選びは、自らお目当ての店に行って、店の雰囲気、味、接客などをお客さんの視線で判断することです。
お客さんであるあなたが美味いと思えば、合格です。

店舗の運営管理については、実際に本部に行って、コンピュータによるシステム化がどれだけきめ細かく行われているかを確かめてください。
商品開発、市場に対して将来的なビジョンがあるかないかは重要な問題です。
目先の利益も確かに大切ですが、商品にもライフサイクルがあるように企業もいずれはその勢いを失います。
将来像のないフランチャイズは、パートナーとしては失格です。